地下水におけるPFASについて
PFASは、「パーフルオロアルキル物質」の略で、主に有機フッ素化合物の一種です。PFASの一種であるPFOA及びPFOSが2020年に要監視項目に位置づけされ、指針値(暫定)をPFOS及びPFOAの合計で50ng/Lと設定されました。
PFASの人体への影響
1.発がん性があり、特に腎臓がん、精巣がん、乳がんの発生リスク増加
2.免疫系に影響を及ぼし、感染症に対する抵抗力の低下や自己免疫疾患のリスク増加
3.人体の生殖機能に影響を及ぼし、不妊のリスク、出生児の発育に対するリスク増加
PFAS除去について
環境省は、水質基準値にPFOA、PFOSの合計で50ng/Lを暫定目標値、3ヶ月に1回の定期検査を基本とする関連省令を改正し、2026年4月1日の施工を目指しております。
弊社は、その対応についていくつか相談をいただいており、地下水に含まれるPFOA、PFOSの除去を行っておりますが、ランニングコスト、除去した製品の処理については、探り探り行っております。
レジオネラ菌について
レジオネラ菌とは、レジオネラ属菌が原因で起こる感染症の総称です。病原菌として比較的新しく発見された菌で、1976年に米国フィラデルフィアで在郷軍人の会合が開かれたとき、重症の肺炎患者が集団発生し29人もの死亡者が出ました。感染の原因は会場のホテルの空調用冷却塔がレジオネラ属菌に汚染されていたことでした。
レジオネラ菌(感染源)はどこに?
レジオネラ属菌は、土地や河川、湖沼など自然界に広く生育しており、一般にアメーバなどの原生動物に寄生しています。この菌が粉塵と共に舞い上がり、温泉や24時間風呂、プール、ビルの屋上などの空調用冷却塔の冷却水、加湿器などの人工環境水に入り込み繁殖します。レジオネラ属菌は、一般に20~45℃で繁殖し、特に36℃前後が繁殖に最適なため、そのような水環境では、レジオネラ属菌は宿主となるアメーバとの共存で急速に増殖します。条件が合えば、家庭の浴室シャワーや水道のホースの中なども繁殖しやすいと言えます。
レジオネラ菌感染の危険
通常、レジオネラ属菌は肺に進入した場合に感染します。レジオネラ肺炎は、レジオネラ属菌を含んだエアロゾル(直径5μm以下)を吸入することにより起こる気道感染症です。身近に生息しているレジオネラ属菌が浴槽水に入り込んだ場合、最適な温度条件の中で、菌は容易に繁殖し、感染の危険性が高くなります。特に循環式の給湯をしている浴槽でその傾向が強くなります。また、エアロゾルを発生させるシャワー、気泡発生装置、ジェット噴射装置、打たせ湯や屋外の露天風呂なども感染経路としての危険性が高くなります。さらに、抵抗力の低下している高齢者の入浴も感染の危険性が高く、浴室(浴槽水)はレジオネラ属菌感染の危険性が極めて高い環境と言えます。
レジオネラ抑制方法
レジオネラ属菌の殺菌には、基本的には塩素剤が有効で、遊離残留塩素濃度0.4mg/Lのもと15分で死滅するという実験結果があります。一般に浴槽水の殺菌に用いる塩素剤は、次亜塩素酸ナトリウム(液体)、次亜塩素酸カルシウム、塩素化イソシアヌル酸、二酸化塩素などですが、それぞれの特性を十分理解した上で使用しないと、適切な管理はできません。また、レジオネラ属菌は、塩素消毒を徹底することが防除するための基本ですが、最近では、レジオネラ属菌がアメーバなどの生物膜に囲まれた状態では塩素消毒の有効性が落ち、十分には殺菌出来ないことも解ってきました。
レジオネラ菌対策
上記記載のようにレジオネラ属菌がアメーバなどの生物膜に囲まれた状態では塩素消毒の有効性が落ち、十分に殺菌出来ず装置内及び配管内に生育繁殖し、感染の危険性が高くなります。レジオネラ菌が問題になる以前にろ過装置等を設置されたものについては、対策をなされていない場合があり、装置内及び配管内に生育繁殖している可能性があります。弊社では、そのような状況を装置及び配管の見直し、配管洗浄等により対策することをお勧めしております。